- 2010-4-12
- eこってニュース
♪ひばりの佐渡情話(美空ひばり)
♪佐渡の恋歌(細川たかし)
を、ご存知でしょうか?
どちらも、佐渡の娘(お光)と柏崎の猟師(吾作)との悲恋物語がモデルの歌謡曲です。
歌謡界の二大巨匠が歌い上げるほど有名な「佐渡情話」ですが、この「佐渡情話」はもともと佐渡に伝わる民話です。
この民話が有名になったのは昭和の初期のこと、新潟県出身の浪曲師・寿々木米若がこの悲恋物語を浪曲に唄い当時一世を風靡しました。
物語は、柏崎の猟師(吾作)が漁に出たある日嵐に遭って、佐渡・小木の浜辺に打ち上げられた時から始まります。
吾作を浜で見つけた娘お光は瀕死の吾作を助けいつしか二人は恋仲に・・・
ところが吾作には柏崎に妻子があり「いつか必ず迎えに来る」と言って佐渡を去ることに・・・
いつまで待っても迎えに来ない吾作。
ついにお光はたらい舟を漕いで夜な夜な柏崎の吾作の元に通いました。
妻子ある身の吾作はほとほと困り果てて、ある嵐の夜、お光が目当てにしていた番神堂の灯りを消してしまったのです。
行く先の目当てを失ったお光は嵐の中で力尽き、翌朝、青海川の海に落ちる滝の下で死んでいたのです。
と、物語の大筋はこんなところですが実はこの話、もともとはお光の名は「お弁」、吾作は「藤吉」 でした。
物語の舞台となった番神堂には
たらい舟 荒海もこゆ うたがはず
番神岬の ほかげ頼めば
と詠んだ与謝野晶子の歌碑が残されています。
そして、お光(お弁)が漂着した滝は、青海川の地でどんな日照りの時にも枯れることの無い滝として「お弁の滝」と呼ばれて今も伝えられています。(写真 お弁の滝)
佐渡と柏崎の海上をたらい舟で毎夜漕いで来る等というのは、今でいうならかなり執念深い「ストーカー」とも思われますが、恋心の深さに今も昔も思いを重ねて感動を呼びます。
今はすっかり忘れ去られそうになった「佐渡情話」ですが、その物語に心打たれた若い日本画家が今回その情話を日本画に託して描きました。
青海川にある当店(酒の新茶屋)2階・日本海を展望できるぎゃらりーBORでは、4月30日(水曜日定休・無料)まで「川崎日香浬展 -佐渡情話を描くー」を開催中です。
※日曜日は作家も在廊いたします。
晴れればキャラリーからは海上に佐渡も見ることができます。
又、当店には樹齢100年程のソメイヨシノの巨木もあります。
4月中旬はギャラリーからは贅沢なお花見もできます。