- 2009-9-2
- eこってニュース
惜しいことをしてしまいましたね~!
ちょっとステキな古酒だったかも知れません。
処分する前に一口含んでみて下さい。
“ステキな出会い”があるやも知れません。
**ちなみに[日本酒には、賞味期限はありません]**
下記参考まで(ヒマが有ったら、ごゆるりと・・)
江戸期までは古酒ほど貴重だった・・・
江戸時代の食に関する辞典「本朝食鑑」(1695)は、古酒の造り方に触れた上でこう書いています。
その三、四、五年を経た酒は味が濃く、香りが美しくてもっとも佳なり。
六、七年から十年にもなるものは、味は薄く、気は厚め、色は深濃で、異香があって尚佳なり。
また、江戸時代の川柳集「誹風流多留拾遺」(1797)には
=三年酒 下戸の苦しむ 口当たり= といった川柳もみえます。
下戸でも、古酒の口当たりのよさに、つい飲みすぎてしまう・・・
それほど古酒は旨いというわけです。
さらに遡れば、鎌倉時代の日蓮上人の手紙には=人の血を絞るがごとき古酒= と表現しています。
江戸時代までは、長く寝かせた酒ほど貴重とされ、熟成年数に応じて、値段も高く取引されていました。
なぜ古酒が姿を消したのか・・・
その古酒が、明治期に入り、忽然と姿を消してしまいます。その理由としては、酒税の影響が最も大きなものでした。
とりわけ明治政府が課した「造石税」は、それで日清・日露の戦費をまかなったといわれるほど過酷なもので、酒造家は酒を造るだけで課税され、酒を熟成して美味しくして販売する余裕がなかったのです。
また、税もかなり高額でしたので、当時の酒飲みの多くは「ひたすら酔う」のが目的で、味より量が主眼で割高につく長期熟成酒は、姿を消してしまいました。
日清・日露の戦争が日本酒から「酒の文化」を奪ったといってもよいでしょう。
古酒は体に優しい酒・・・
古酒は飲み方も多様で、「冷や」でもよし、「燗」をつけて飲んでも美味しい。
しかも、古酒は身体にも優しい、新酒に比べ熟成を経た酒は、アルコールと水の分子が完全に融合して一体化するため、内臓の粘膜への刺激も少なくて、体内に吸収されてからの分解速度も速く、多少飲み過ぎても・・宿酔しにくいといいます。
<以上 小学館・古酒入門より>
【酒屋の本音】
ビールと同様フレッシュ・ローテションを振りかざして、早く処分させるのが上手=売り上げの増加のみ考える。
・・(早く飲んでしまいたい酒もありますが・・)
古酒の魅力・・「ほんとは教えたくなかった!!」
田辺喜助商店 田辺 喜朗