インターネット会社見学 「鉄を削る!!」

突然ですが、鉄工所ってどんなところかご存知ですか?
普段、一般の方が立ち入ることはないところですから、ご存知の方は少ないかもしれません。
大辞林では「鉄の機械や器具を作る工場。」となっていますが、さて、どうやって作っているのでしょう。
ということで、今回は、鉄工所である株式会社テック長沢の内部をご覧いただきましょう。

まず、当社では、主に自動車部品と建設機械部品の量産品と、生産設備などの部品を1個から加工しています。
旋盤加工加工と言っても、鉄を加工する方法はたくさんあります。
叩いてつぶす(鍛造)、溶かして固める(鋳造)、切る、曲げる、溶接する、削る、磨く、熱をかけて硬くする(熱処理)、メッキをする、組み立てる等々。
その中で、当社では、削る、磨くというところを担当しています。

まずは鉄を削ることにスポットを当てて見ましょう。
実は、鉄を削る方法は、基本的には、2通りしかありません。
写真①は、鉄を回して刃物を近づけて削る機械です。
フライス加工これは旋盤といいます。
写真中央の主軸に削りたい材料を取り付けて回転させ、手前の刃物台に刃物を取り付け、刃物台を動かして、削りたい形に仕上げます。
写真②は、鉄を固定して刃物を回して削る機械です。
これはフライス盤といいます。
写真上部の刃物が回転し、鉄を固定してテーブルを動かして、削りたい形に仕上げます。

NC旋盤それぞれは、人の手で動かして寸法を決めるため、熟練が必要となり、一人前の職人さんになるには、何十年という年月が必要になります。
さらに、旋盤の動きを数値制御させて、コンピューターのプログラムによって動く旋盤がNC旋盤(写真③)。
フライス盤の動きを数値制御させているものが、NCフライス盤。
NCフライス盤をさらに刃物交換を自動で出来るようにしたものがマシニングセンター(写真④)となります。

マシニングセンターコンピューターが付いているものは、ボタン一つで繰り返し同じ動きをしてくれますので、多くの製品を短時間に削ることができます。
しかし、同じ動きをしても、同じ製品ができないときがあるのです。なぜでしょうか?
それは、鉄を削っている刃物が摩耗してしまうことと、熱変位があるからです。
鉄を削る刃物ですから、鉄より硬くないといけません。
それでも繰り返し削っていると摩耗します。

スロアウェーチップ最近は、摩耗したら鉄を直接削る部分のみ取り替えるスローアウェーチップ(写真⑤)を使うことが多くなっています。
このチップが摩耗すると、寸法が変わったり、肌が悪くなったりしますので、そうなる前に取り替えなければいけません。
もう一つの原因は熱変位です。
機械が動くために、内部に多くの摺動面とモーターが付いており、それが熱源となって、機械を構成する金属そのものが膨張してしまうのです。そのため、機械のコンピューターはいつもと同じように動いているつもりでも、実際の刃先は違うところに行ってしまうことがあります。これは刻一刻と変化していきます。
こういった変化を知り、事前に対処することこそ、ものづくりの技術力の一つになるのです。

次回、鉄を削る現場についてと、削る以外の加工方法(放電加工、研削加工)についてご紹介したいと思います。

(株)テック長沢 長沢 智信

関連記事

おすすめ記事

登録されている記事はございません。

アーカイブ

ページ上部へ戻る