- 2005-11-21
- eこってニュース
皆さんに身近なクルマに関して、2005年1月1日より「自動車リサイクル法」が施行されました。
1. 自動車リサイクル法ってどんな法律?
ゴミを減らし、資源を無駄遣いしないリサイクル型社会を作るために、クルマのリサイクルについてクルマの所有者、関連事業者、自動車メーカー・輸入業者の役割を定めた法律です。
関係者の具体的な役割は以下のようになっています。
(1)クルマの所有者(最終所有者):リサイクル料金の支払い、自治体に登録された引取り業者への廃車の引渡し。
(2)引取業者:最終所有者から廃車を引き取り、フロン類回収業者または解体業者に引き渡す。
(3)フロン類回収業者:フロン類を基準に従って適正に回収し、自動車メーカー・輸入業者に引き渡す。
(4)解体業者:廃車を基準に従って適正に解体し、エアバッグ類を回収し、自動車メーカー・輸入業者に引き渡す。
(5)破砕業者:解体自動車(廃車ガラ)の破砕(プレス・せん断処理、シュレッディング)を基準に従って適正に行い、シュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残る廃棄物)を自動車メーカー・輸入業者へ引き渡す。
(6)自動車メーカー・輸入業者:自ら製造または輸入したクルマが廃車された場合、その自動車から発生するシュレッダーダスト、エアバッグ類、フロン類を引き取り、リサイクル等を行う。
2. どうして自動車リサイクル法が必要なの?
現在、年間約400万台のクルマが廃車されています。
このうち解体業者や破砕業者によって総重量の約80%がリサイクルされていますが、残りの約20%はシュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残る廃棄物)として主に埋立処分されています。
ところが、この最終処分場がもう残り少なく、シュレッダーダストの理立処分量を減らす必要性に迫られています。
加えて、最終処分費の高まり、鉄スクラッフ価格の低下・不安定な変動によってクルマを廃車する際に処理費を払って引き渡す状況が進展しています。
このようなことから近年、クルマのリサイクルシステムは機能不全に陥りつつあり、不法投棄・不適正処理が心配されています。
3. リサイクル料金をクルマの所有者が負担するのはどうして?
リサイクル料金は、クルマのリサイクルの障害となっているシュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残る廃棄物)・カーエアコンの冷媒として充てんされているフロン類・エアバック類のリサイクルや適正処理に使われます。
また、料金の一部はリサイクル料金の管理や、廃車の情報管理にも使われます。大切な地球環境を守るため、クルマの所有者としての役割分担として、必要な科金だということをご理解ください。
4. リサイクル料金はどうやって支払うの?
今年1月以降、新車を購入される方は、新車購入時にリサイクル料金を支払っていただくこととなります。
既にクルマをお持ちの方は、今年1月以降最初の車検時までに。また、車検を受けずに廃車とする場合は、引取業者に引き渡す時に支払っていただくこととなります。
ちなみに、リサイクル料金を支払ってあるクルマを他の人に売る場合は、次の所有者の方から、車両部分の価値に加えて、リサイクル料金相当額を受け取る権利があります。
5. リサイクル券ってどんなもの?
リサイクル券とは、リサイクル料金を支払った場合に、それを証明するために発行される書面です。
今年2月1目以降は登録・車検を受けようとする際には、国土交通大臣(運輸支局)等によってリサイクル科金が支払われているかどうか確認がされます。
この際、リサイクル料金が支払われていることを証明するために、リサイクル券が必要となり、仮にリサイクル料金が支払われていない場合は登録・車検が受けられなくなりますので、リサイクル券は廃車にするまで、車検証とともに大切に保管するようお願いします。
6. クルマはどんなものにリサイクルできるの?
廃車されたクルマは解体業者等を通じ、エンジンやポンネツト等の部品は取り外され、中古部品としてリユースされます。さらに、鉄など金属は素材としてリサイクルされるなど、総重量の約80%がリサイクルされています。
残りの約20%はシュレッダーダスト(クルマの解体・破砕後に残る廃棄物)として主に埋立処分されていますが、これについても今年年以降、自動車メーカー・輸入業者がリサイクルに取り組むこととなっており、2015年にはクルマ全体の 95%がリサイクルされることになっています。
弊社グループ企業 (株)萬屋(引取業、フロン回収業者登録・解体業、破砕業許可)でも取り扱っています。
(株)宮田才吉商店 西川紘一