- 2004-9-21
- eこってニュース
クルマ屋がなんで「米」と思われる人もいるかもしれません。
私は昭和63年自動車整備業を開業し、平成5年、父の他界後兼業農家をしてきました。
平成13年の民間車検場取得を機に余剰労働力活用を考え、農業に本腰を入れ始めました。
わが家では、平成12年まで越路早生を作っていました。
コシヒカリ切り替えのきっかけは、結婚した最初の秋の女房に言われた「コシヒカリのほうが断然おいしい」でした。
さあて困った。
なぜならコシヒカリは稲刈り前に倒伏しやすいからです。
その対策として有機肥料が有効ということは聞いていましたが、当時100%有機肥料は市販されていませんでした。
これは自分で作るしかないと一念発起。独学で試行錯誤の結果、平成13年の作付けから有機栽培にこぎ着けることができました。
これを私の水田だけでなく知人にも試用してもらいました。
結果、倒伏もなく「食味、香りとも大変良くできた」と周りからも、もちろん女房からもほめてもらいました。
炊いたごはんの光沢も全然違います。
自動車と食(米)。
一見違うものですが、安全性を求められるものとして共通点があるものと思っています。
世の中無農薬栽培とか100%有機栽培など安全性を求められていますが、稲作の場合、肥料はもちろん種もみ消毒、育苗殺菌、殺虫剤使用、航空防除などを一切行わないということは不可能に近いことです。
それを可能にするために、今年から「100%有機栽培」を目指して種もみの段階から稲刈りまでの間、薬剤不使用でやってみました。
さらに昨年から「自然乾燥(はさがけ)」を採り入れ、自然を生かした安全でおいしい米作りをしています。
そのため今月8日からの稲刈りを始め、約2週間いろいろな作業に追われ超多忙な日々を過ごすことになりました。
来年からは春からの水田管理にもう少し手間をかけないようにするため、この道50年のベテラン吉田正平師匠と一緒に研究を積んでいきたいと考えています。
試行錯誤はまだまだ続きます。
私の作った有機肥料「有機の恵み」は様々な発酵菌を配合しており、化学肥料では得られなかった効果をもたらしています。
茎が硬くなり倒伏しにくくなったことやおいしくなったことは前述しましたが、稲の病気である紋枯れ、白葉枯れ、あけ(熱病)などなどに効果を発揮し、師匠からのお墨付きもいただきました。
また田植えの時、殺虫剤を使用しないため、やご(トンボの幼虫)が生まれ羽化するなど、自分の目指す自然の中の稲作が実現しつつあります。
今後は吉田師匠の提案として「カルガモ農法」も検討していますし、「自然・安全・食味の良さ」を求めて取り組んでいきたいと思っています。
ミツワモータース(株) 上野 治